鉄分の不足によりおこる欠乏症など鉄分の話

鉄分の不足によりおこる欠乏症など鉄分の話

体内の鉄分について

鉄分の働き

栄養成分の中でも良く知られる鉄分ですが、具体的にはどのような働きがあるのでしょうか。
主に、全身に酸素を運ぶとともに、細胞の活性化を担っているのが鉄分です。
血液中の鉄分は「ヘモグロビン」と呼ばれていますが、ヘモグロビンは「ヘム鉄」と「グロビン」というタンパク部分から構成されています。
ヘム鉄は「ポルフィリン」という化合物の中に鉄が入っていて、全身の組織に酸素を運ぶ大切な役割を果たしています。
さらに、鉄は血液中だけではなく全身の細胞内にも存在しており、「細胞内ミネラル」と呼ばれています。
細胞の活性化が十分に行われていると、細胞は血液から鉄を取り込んで鉄の吸収がよくなるので、私たちの体を健康的に保ってくれるのですね。
鉄を吸収しやすい体を作る事によって、日々元気に活動的に動けるのです。
さらに、骨や皮膚、粘膜と言った細胞組織の生成や代謝、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の合成にも鉄は大いに役立っています。
疲労回復、免疫機能の維持、美肌効果、ダイエット効果など鉄には様々な重要で私たちにとって嬉しい効果が期待できるのです。

 

1日に必要な鉄分の摂取量

鉄分が不足すると貧血になると言われていますが、1日にどのくらい摂取すれば良いのでしょうか。
年齢や性別によって異なりますが、18〜29歳の男性で7.0mg、女性で10.5mgの摂取が好ましいと言われています。
女性の方が比較的鉄分を積極的に摂らなければならないのですが、これは毎月やってくる月経・胎児に栄養を促すための女性の方が血液を多く必要とするためです。
一ヶ月で体調が変化しやすいのは女性であり、突然の妊娠に備えて、日頃から準備しておきたいですね。
妊婦さんや成長期の女性は特に積極的に鉄分を取り入れたいものです。

 

鉄分が多く含まれる食品

鉄は魚介類や海藻類などに多く含まれます。
また、レバーや卵黄、にんにく、ごまなどにも多く含まれており、貧血にレバーが良いというのは間違いではないのです。
主に肉・魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品や卵・乳製品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類がありますが、体内への吸収力に優れているヘム鉄をたくさん摂取するか、非ヘム鉄を摂取する際は良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで、体内への吸収率がアップします。
色々な食材を組み合わせて上手に摂取すれば、その分吸収率も良くなりますよ。

 

鉄分の摂り方

鉄分を上手に摂取するには、やはりヘム鉄をしっかりと摂取する必要があります。
レバーや赤肉、かつお、いわしには多くのヘム鉄が含まれています。
また、吸収率は悪いものの非ヘム鉄も摂り方次第では鉄分不足を防ぐ事ができます。
非ヘム鉄は、ひじき、あさり、かき、卵、大豆、ほうれん草、小松菜などに含まれているので、これらを摂取しながら、タンパク質やビタミンCも同時に摂取するようにしましょう。

 

鉄分の不足によりおこる欠乏症

もし鉄分が不足してしまうと、突然立ちくらみが起こったり、すぐに疲れる、爪が薄くなって割れやすくなる、生理痛が酷くなる、髪に潤いがなくなる、顔色が悪い・クマができるなどの症状が現れます。
特に女性は貧血になりやすく、めまいや立ちくらみの症状が元で、急に倒れてしまう事も多いでしょう。
食材だけで十分な量の鉄分を摂取するのは難しいと思いますが、サプリメントなどを上手に活用すれば、十分に1日の摂取量を補う事が可能です。
過剰に摂りすぎても胃腸障害や血管疾患、脂肪肝、がんなどにもなりやすくなってしまうので、適切な量を考えて摂取するようにしてくださいね。

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